山林の固定資産税

山林を所有すると、固定資産税がどれぐらいかかるかご存知ですか?

山林の維持費の中で、気になる部分といえば税金ですが、実際のところ、山林の固定資産税は1ヘクタールにつき数千円程度と非常に安く、課税標準額が30万円に満たない山林や保安林は非課税となります。

固定資産税は年に1回納付する税金で、「固定資産税課税標準額 × 1.4%」で算出します。税額は春ごろに役所から届く固定資産税の納税通知書で確認し、一括払いまたは年4回の分納で納税します。

また、事前におおよその税額を調べるため、山林のある地域の役所で固定資産課税台帳を閲覧したり、固定資産評価証明書を取り寄せることも可能です。

山林の固定資産税

山林の固定資産税は非常に安く、小さな山林であれば年間で数千円、広大な山林でも数万円程度で済みます。これは山林の評価額が、1坪あたり数十円程度と大変低いためです(実際の評価額は坪単位ではなく、平方メートル(㎡)単位で算出されます)。

一例として、1ヘクタール(3,025坪)の山林を所有している場合の固定資産税を計算してみます。

評価額は1坪50円として、3,025坪 × 50円 = 151,250円 が全体の評価額(課税標準額)になります。

これに固定資産税の税率1.4%を掛けると、151,250円 × 1.4% = 2,117円 となります。

地域によりますが、課税標準額(同一の者が同一市町村内に所有する土地や山林はすべて合算)が30万円に満たない場合や、保安林の場合は非課税となるため、場所によっては固定資産税が全くかからない山林もあります。上記の例では、課税標準額が30万円に満たないため、固定資産税はかかりません。

ただし、登記簿上の地目が山林であっても現況が優先され、都市部に近い山林や実際に建物がある場合は宅地として評価されるため、固定資産税が一気に上がります。

以下は山林に対する固定資産税の課税例です。地目によって評価額が異なるため、面積あたりの税額が大きく違うことがわかります。また、宅地には課税標準の特例が適応されるため、課税標準額が評価額より減額されています。

京都市右京区山奥町山市場1~4番地 固定資産課税明細書

所在地 地目 面積(㎡) 評価額 課税標準額 税額
山市場1番地 山林 22,809 319,745 319,745 4,476
山市場2番地 山林 1,983 31,073 31,073 435
山市場3番地 宅地 460 1,635,038 426,595 5,972
山市場4番地 山林 2,363 29,221 29,221 409
806,634 11,292

※ 山市場3番地は宅地のため、面積の割に評価額が高い

山林の評価方法

山林の評価はどのように決まるのでしょうか。国税庁ホームページの法令解釈通達「第4節 山林及び山林の上に存する権利」上に、評価の方式が記載されているので見てみましょう。

国税庁ホームページ 第4節 山林及び山林の上に存する権利

評価対象となる山林は、純山林、中間山林、市街地山林、保安林、特別緑地保全地区内の山林などに分類されています。また、貸し付けられている山林の場合や、土地の上に存する権利(賃借権・地上権・地役権など)が競合する場合の山林評価に関する記載もあります。

税法上の山林評価は、単に土地の価格だけを見るのではなく、山林の傾斜や地質、伐採した木材搬出の利便性、売買価格の実例、不動産鑑定士の意見なども考慮されます。

一例として、一般的な山林を指す「純山林の評価」は、以下のような記載となっています。

純山林の価額は、その山林の固定資産税評価額に、地勢、土層、林産物の搬出の便等の状況の類似する地域ごとに、その地域にある山林の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。(昭41直資3-19・昭45直資3-13改正)

また、市街地にある山林は宅地並みの評価になりますが、宅地転用した場合に想定される造成費や整地費が控除され、宅地転用できない場合は、近隣の純山林と同様に評価されます。

保安林の固定資産税は非課税ですが、評価方法は定められており、保安林は立木の伐採が制限されるため、その分の控除があります。

その他、賃借権、地上権等が設定されている山林は、その価値に対する控除があります。

固定資産税の算出方法

固定資産税は、土地や家屋、償却資産の所有者に対してかかる地方税で、山林も対象になります。

固定資産税の税率は1.4%で、毎年1月1日の時点で固定資産課税台帳に所有者として登録されている者が、固定資産の所在する市町村に納めます。

固定資産税は、まず土地や家屋、山林の評価額から課税標準額が算出され、課税標準額 × 税率(1.4%) = 固定資産税という形で税額が決まります。

土地の評価は主に路線価方式を用い、家屋の評価は再建築価格という理論上の建築価格から評価額を算出し、課税標準額はその7割程度になります。

課税標準額は地目によって異なり、山林の土地は宅地よりも大きく評価が下がります。このため、山林の固定資産税は非常に安くなります。

課税標準額は3年に一度評価替えが行なわれ、利便性の向上といった条件や、土地家屋の実勢価格が反映されます。この評価替えの年は「基準年度」と呼ばれます。

また、分筆・合筆された土地や、新築・増築された家屋は、翌年に課税標準額が決まります。

課税標準の特例や非課税

課税標準には特例が設けられ、住宅用地に対する課税標準の特例措置が適用される場合や、新築住宅・認定長期優良住宅などの税額控除が適用される場合は、課税標準が低く算定されます。

課税標準には免税点があり、土地の場合(同一の者が同一市町村内に所有する土地はすべて合算)は30万円未満、家屋の場合は20万円未満が非課税となります。ただし、市町村によっては免税点が異なったり、免税点がない場合もあります。

また、所有している山林が保安林の場合は、固定資産税が免除され非課税となります。他にも不動産取得税、特別土地保有税は課税されず、相続税や贈与税も評価の際に3割~8割が控除されます。

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