美しい山林を維持して立木の価値を高めるためには、適切なメンテナンスを行う必要があります。ここでは山林購入後に支払う税金や、造林育林、整備に必要な山林の維持費について説明します。

山林を所有するにあたって必要な維持費は、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 固定資産税などの税金
  • 造林・育林の費用

造林・育林とは、スギやヒノキを植林して間伐や枝打ち、下草刈りを行い、十分な太さになるまで成長させることです。伐期を迎えた立木は伐採して、製材所や木材市場に販売して収益化します。

もう一つの維持費として、山林にかかる税金があります。山林所有者は固定資産税を毎年支払う必要がありますが、山林は元々の土地評価額が低いため、実際の税額は数千円から数万円程度で済みます。

ただし、市街地に近い山林は土地の評価額が高いため、宅地並みの課税額となることもあります。

山林の用途がキャンプやレジャーで、造林育林を目的としない場合や、十分に成長したスギやヒノキ、雑木林は手入れの必要がないため維持費はほとんどかからず、固定資産税の支払いだけで済みます。

山林の維持費 固定資産税

固定資産税は山林や土地、建物といった不動産の所有者が年に1回納付する税金で、税額は春ごろに役所から届く固定資産税の納税通知書で確認し、一括払いまたは年4回の分納で納税します。

山林にかかる固定資産税は、土地や不動産と比べて非常に安く、保安林、または山間部にある小規模の山林であれば、固定資産税はかかりません。

小規模な山林の固定資産税は、1ヘクタールにつき年間数千円程度であり、10ヘクタールを超えるような広大な山林でも、数万円程度で済みます。

これは山林の評価額が1坪あたり数十円程度と大変低いためです。実際の山林評価額は坪単位ではなく、平方メートル(㎡)単位で算出されます。

また、課税標準額が30万円に満たない山林や、保安林は非課税となります。ただし、山林単体の課税標準額が30万以下でも、同一管内の不動産と合わせた課税標準額が30万を超える場合は課税されます。

事前におおよその税額を調べるなら、役所で固定資産課税台帳を閲覧したり、固定資産評価証明書を取り寄せることも可能です。

山林の評価方法や固定資産税の算出方法、固定資産税の課税例については、以下のページで詳しく解説しております。ぜひご参照ください。

固定資産税の詳細について 山林の税金 固定資産税

山林の維持費 造林・育林費用

山林を購入して立木を育成したり、自伐型林業を始める場合は、造林・育林の費用がかかります。

植林して間もない山林や、立木を販売目的で育成する場合は、森林組合や林業事業者に依頼して、間伐、枝打、下草刈りなどの適切なメンテナンスを行います。

林業では植林してからおよそ10年間が一番手間がかかる時期で、植林直後はシカやイノシシによる苗の食害を防ぐため防獣対策ネットを張ったり、苗の生育を妨げないように下草刈りを行います。

立木がある程度まで成長したら、余計な枝を切り落とす枝打や、立木の間隔を調整して成長を促すための間伐を行います。これら一連の施業によって立木の商品価値を高めることができます。

その他、山林を維持管理するために、林道の整備や立木の伐採などを随時行います。

山林の育林造林や維持管理は、山林所在地の森林組合に施業費用を支払うことで依頼することができます。ただし、森林組合に加入して組合員になることが条件です。

森林組合に加入する場合は、出資金や面積に応じた年間費用が必要ですが、育林造林や補助金に関するアドバイスが受けられます。費用は各組合ごとに異なり、出資金は退会時に返還されます。

加入の条件や出資金については、山林所在地の森林組合に問い合わせるとよいでしょう。都道府県ごとの森林組合所在地は、以下をご参照ください。

全国森林組合連合会 都道府県森林組合連合会一覧

山林整備や林業に使える補助金には様々な制度があり、国や市町村などで申請することができます。

これらの補助金を活用すれば、苗の購入から植林、下草刈り、枝打ち、間伐、林道の整備など、山林の維持費や林業に必要な施業費用のほとんどを補助金でまかなうことができます。

山林向けの補助金や支援制度については、以下をご参照ください。

山林向け補助金について 山林整備や林業に使える補助金・支援制度

自伐型林業で維持費をまかなう

山林所有の楽しみは、キャンプやレジャーだけではありません。週末だけ木こりになって山に入り、自分で立木を育てて販売するような楽しみ方もあります。

山林にはスギやヒノキが植林されていますが、これは不動産や家屋と同じ財産であり、スギやヒノキを成長させることによって得られる利益には、投資と同様の価値があります。

自伐型林業を始めるにあたって、資格等は必要ありません。機材もチェーンソーと軽トラックがあればOKです。伐採や搬出を自ら手掛ければ、維持費はかかりません。

また、自伐型林業でも補助金や支援制度を利用できるので、育林造林や山林整備などの維持費を自分でまかなうことができます。

自伐型林業の始め方やメリット、参考資料については、以下をご参照ください。

自伐型林業について 自伐型林業を始めよう

その他の維持費

山林をキャンプやレジャーなどの目的で利用する場合は、敷地の草刈りや水源の維持、通路の整備が必要です。こういった用途では補助金は使えないため、自分で維持費を払うことになります。

また、台風や大雪によって木が倒れたり、大雨で敷地が崩れることもあります。

山林内であれば放置しても支障はありませんが、キャンプ場の敷地が崩れたり、倒木があると運営の妨げになるので、重機で整地したり倒木を移動させて早急に取り除く必要があります。

山林には風害や水害、雪害といった自然災害がつきものです。自前で作業をするなら費用は不要ですが、作業を外注する場合はこれらの維持費も考慮する必要があります。