山林 境界杭

お客様が所有されている山に関してあらゆる資料を集め、必要であれば現地の調査や隣の所有者へのヒアリングを行い、境界線を確定することで山の価値を守ります。

山林の境界線は尾根や谷に沿って定められていますが、公図を見ても不明瞭な場合が多く、場所によっては石や立木が目印というところもあり、境界を決めた当事者が亡くなると状況がわからなくなります。

そのため、代を経ることに境界があいまいになり、売却時や相続時によく問題が発生します。

また、所有者の高齢化や地形変化に伴い、正確な山林の土地所有者や境界線が不明瞭になりつつあります。後世に続く森林財産保全のため、境界線の明確化を進める必要があります。

山林境界線策定 ご依頼の流れ

1,山林を所有されている方から依頼を受け、必要書類を取得します。

山林 境界線2,現地に出向き調査を行います。山林の境界は素人目では分かりませんが、立木は植林された時期、間伐をした時期、枝打ちをした時期が必ず林層ごとに違います。

山林 境界線3,我々は木材の専門家です。情報を追って現地で見れば、立木が誰の木か一目でわかり境界線が判断出来ます。

境界線 杭打ち4,隣の所有者から許可を取り境界杭を打ちます。複雑な案件に関しては土地家屋調査士と協議の上、公的な境界杭を打つ場合があります。

5,最後に登記等を行い、山林境界線を確定させます。

山林の境界杭について

山林 境界杭

山林内にある境界杭は必ずしも境界線上にあるとは限らず、大抵は図面上の境界線から数十センチ~数メートルほど離れた場所に打たれています。

山林は一般の土地と違って面積が大きく、地形が複雑で高低差が大きいため、精密に測量することはほぼ不可能です。また、山中は立木や石などの障害物が多いので、正確な位置に境界杭を打てるわけではありません。

そのため、境界杭は正確な線引を表すものではなく、「この尾根」や「この谷」という境界の存在を表す目的で使います。

最近はGPSを使った簡易測量によって、地図上の数値で境界の位置を記録することができるようになりました。GPS測量と境界杭を組み合わせることで、誰にでもわかる境界線管理が可能になっています。

次世代への伝承と財産保全に 山林境界線の策定を

山林境界線

山林の境界線は図面で確認できても、現地に入ると目に見える形で線引きされているわけではありません。境界の杭があればまだいい方で、大部分の山林では尾根や谷に流れる小川、樹種や植生の違いで境界線を判別することになります。

山によっては大きな石や立木が境界の目印という場合もありますが、年月が経つにつれ尾根や谷が崩れて地形が変わり、目印の石や立木が消えてしまうことも多く、境界を決めた当事者が亡くなると状況がわからなくなります。

このような状態を放置すると、山林の売却時や相続時に問題が発生するだけでなく、所有者不明の山林は管理や整備ができないため、山がどんどん荒廃していきます。

また、最近は不明確な境界線を悪用し、伐採業者が「境界線を間違って切ってしまった」という言い訳をして盗伐行為を行い、山林所有者の貴重な財産が失われるという事件が多発しています。

森林は日本国土のおよそ6割を占め、その中でも企業、個人が所有する「私有林」は全体の約58%を占めています。その貴重な自然財産を守り、確実に次世代へと伝承していくために、山林の境界線策定は大きな役割を果たします。

森林境界の明確化が進まない理由

山林 境界杭

山林の境界線策定は、地道な資料調査やヒアリング、現地調査が必要で、とても時間と労力がかかる作業です。また、集落の共有林や相続などで分筆された山林は、所有者が多数となる場合が多く、調査がさらに難しくなります。

しかし、境界線策定は費用と手間がかかるだけでなく、所有者にとってメリットがわかりにくいため、なかなか進んでいないのが現状です。

農林水産省「森林資源の循環利用に関する意識・意向調査」(平成27年10月)では、森林の境界の明確化が進まない理由として、次のよう調査結果が報告されています。

森林境界の明確化が進まない理由(複数回答)

  • 相続等により森林は保有しているが、自分の山がどこかわからない人が多いから 64%
  • 市町村等による地籍調査がすすまないから 45.5%
  • 高齢のため現地の立会ができないから 39.7%
  • 境界を明確化するのに費用がかかるから 38.8%
  • 境界を隣接する所有者がわからないから 36.4%
  • 効率的に境界を明確化するための地域組織等がないから 29.8%
  • 境界を隣接する所有者の協力が得られないから 20.7%
  • 境界を明確化する方法がわからないから 9.1%
  • その他 19.8%

森林所有者の特定については、平成23年の「森林法」の改正により、平成24年4月から新たに森林の所有者となった者に対して、市町村長への届出を義務付ける制度がスタートしました。

この改正により、1ヘクタール未満の小規模な森林所有者も把握することが可能になります。しかし、現状の私有林制度では、所有者が自発的に調査を行わない限り、正確な森林境界線は測定できません。

所有者不明土地問題研究会によると、2016年時点で所有者不明の土地が410万ヘクタールあり、このまま対策を講じないと、2040年には北海道と同規模の約780万ヘクタールまで達するそうです。もちろん、この数値には山林も含まれます。

所有者不明土地面積

※ 一般財団法人 国土計画協会 所有者不明土地問題研究会資料より

また、国交省による試算では、2050年までに新たに最大47万ヘクタール、国内の森林面積の1.9%にあたる所有者が不明になるそうです。

正確に測量して境界や所有者を定める地籍調査も、山村部では44%(平成26年度末)しか進んでおらず、1,000万ヘクタールもの森林が未調査のまま放置されています。日本の森林面積は2,500万ヘクタールで、国土の2/3が森林です。1,000万ヘクタールということは、その4割にあたります。

森林管理は行政主導のマクロな制度や観点と、個人、民間による境界線の確定が必要です。後世に続く森林財産保全のため、境界線の明確化を進める必要があります。

山いちばでは、山林境界線の策定業務を積極的に行っています。山林の境界線でお困りの際は、お気軽に山いちばへご相談下さい。