山林購入の方法と手続き

最近のキャンプブームに乗って、YouTuberや芸能人が山林を購入していることもあり、山を買って自分だけのソロキャンプ場を作ったり、自伐林業を始めたいという方が増えてきました。

とはいえ、一般的な不動産取引と違って、山林売買は法律の整備が進んでいません。

また、自分の目的に合った山林を探す方法や、山林購入の手続きがわからないという方が多く、購入する側にも山林売買の知識がないとトラブルの原因となります。

このページでは、山林の初心者や山を買いたいという方に向けて、山の選び方や調査方法をはじめ、物件情報の見方、購入の手続き、契約の手順、確認事項などの注意点をわかりやすく説明します。

山林を購入するときは、まず物件資料を取り寄せて現地をチェックし、気に入ったら不動産と同様の手順で契約を行います。登記変更は司法書士に依頼し、1~2週間で自分の名義になります。

山いちばでは初心者でも気軽に山林を購入できるように、契約の進め方や必要書類の取り寄せ方をはじめ、地形図の見方、山林購入後の管理方法など、山林に関する様々なサポートを行っています。

山を買うにあたって、不明な点やご質問等があれば、お気軽に山いちばまでお問い合わせください。

山林購入の手続き

業者によって手順は変わりますが、山林を購入するまでの一般的な手順は、以下の通りとなります。

  1. 山林仲介業者や不動産業者、森林組合等で、自分の目的に合った山林を探す
  2. お気に入りの山林物件が見つかったら、物件資料を取り寄せる
  3. 資料をもとに現地調査を行い、地形や立木の種類を調べたり、接道の有無を確認する
  4. 購入する場合はまず申込金を支払い、買付証明書を提出する
  5. 引渡し日を決めて、契約時に必要となる書類を準備する
  6. 契約書を交わし、残代金を支払って引き渡し完了、登記移転を申請する
  7. 不動産取得税を支払い、森林の土地の所有者届出を提出する

山いちばで山林を購入される際は、仲介手数料は必要ありません。

その他の経費として、書類の作成料や所有権を移転登記する際に支払う司法書士手数料と印紙代が必要です。司法書士手数料は地域や筆数によって異なり、印紙代は取引金額によって定められています。

また、購入後に調査を希望される場合は、別途調査料を頂戴します。

山林を探す

山林を探す

まず最初に購入する地域や予算を決めて、平地のある山林や川付きの山林など、自分の利用目的に合う山林を探しましょう。山林は以下の方法で探すのが一般的です。

地元の不動産屋へ行く
まずは購入したい山林の対象地域にある不動産屋へ行って、物件がないか聞いてみましょう。地場の不動産屋であれば、その地域の地主や山主とつながりがある場合も多いです。

森林組合に問い合わせる
森林組合は山林の管理や整備を行うことが仕事なので、その地域の山林事情に精通しています。山を売りたがっている所有者がいれば、紹介してもらえるかもしれません。

山林売買サイトで探す
山林物件は山林売買のサイトで探すのが一番簡単です。山いちば内の「山林売買・仲介」のページで、現在販売中の山林物件を確認することができます。

山林販売物件一覧 山林売買物件

また、新規の山林物件や訳あり物件は、山いちばのLINE公式アカウントで情報発信しています。

川付きのキャンプ向け物件やお買い得物件は人気が高く、すぐ成約してしまいます。いち早く新規物件情報を知りたい方は、ぜひ山いちばのLINE公式アカウントをフォローしてください。

友だち追加

山林物件一覧には、販売中の山林所在地や面積、樹種、価格、簡単な山林の概要が表記されています。気に入った物件があれば、個別の山林物件詳細をチェックしてください。

山林物件一覧

山林物件情報のページには山林内の画像をはじめ、樹種ごとの面積や樹齢、接道条件、都市計画の有無、手入れ状況、山林所在地の地図といった詳細情報が記載されています。

山林物件情報の見方

各項目の見方を説明します: 山林物件情報の見方

山林を購入する目的に応じて、情報をチェックしてください。キャンプやレジャー目的であれば特に制約はありませんが、建物建築が不可の山林では、基礎が必要な山小屋や別荘は建てられません。

山林内を開発したり、自伐林業を始めたい方は、接道や手入れ状況もチェックしてください。樹種や樹齢を見ることで、山林内にある立木の資産価値がわかります。

山林物件情報

ドローン映像を見ることができる物件もあります。上空から見ると、山林全体の様子がよくわかります。

山林物件資料を取り寄せる

お気に入りの山林が見つかったら、対象の山林物件資料を取り寄せましょう。

山いちばの問い合わせメールフォームから、名前やメールアドレスなどの必要事項を入力し、メッセージ欄に「山林No***の物件資料希望」と記入してください。

返信メールに物件資料を添付しているので、ダウンロードして印刷してください。物件資料一式には、物件調査報告書や現地までの地図、詳細図面、現地確認用の資料などが含まれています。

山林物件資料 航空写真 山林物件資料 地形図
山林物件資料 航空写真 山林物件 現地確認用資料

山林の下見と現地調査

山林購入の方法と手続き

取り寄せた資料をもとに山林を見学して、自分の利用目的に合うかどうかを確認します。キャンプやレジャー目的であれば、川付きの山林かどうかや、テントを張れる平地、水場もチェックしてください。

あとは山林内に入って地形や傾斜をチェックしたり、スギ、ヒノキなど立木の状態を調べてください。不法投棄や土砂崩れの有無も、現地に行かないとわかりません。

車で現地入りするなら、接道の有無や林道の幅も確認します。

山林見学はいつでも可能ですが、今のところ現地案内は行っておりません。何卒ご了承ください。

現地へ向かう前に、まずはルートや所要時間を調べます。接道している山林であれば、現地の山林まで車で直接入れますが、接道していない山林は途中から徒歩で入ります。

接道は舗装済みの公道か、未舗装の林道となります。林道は水たまりや落石、倒木などが多く、一般車両の走行は適していません。林道を走行する場合は、車高が高いSUVや4WD車をおすすめします。

山林調査は安全第一で

山林内では、急斜面で足を滑らせて転落したり、落石や倒木による怪我、蚊やブヨ、蜂による虫刺され、クマやイノシシに遭遇するなど、様々な危険が伴います。

また、山林内では携帯の通じない場所が多く、怪我をしたりトラブルが起きても連絡できません。山林の下見や調査の際は、まず安全を第一に考え、服装や装備にも気を使うようにしてください。

天候にも注意が必要です。雨天時は川が増水したり、落石や倒木が発生しやすいので、下見や現地調査は晴れた日の昼間に行うようにしてください。日が暮れた後の行動も避けましょう。

山林見学の服装や装備

現地を見学するなら足元の装備を固めましょう。林道から下見する程度であれば、通常の格好でも大丈夫ですが、山林内に入って調査する場合は、必ず登山靴やスパイク長靴等に履き替えてください。

山林内は急斜面が多く、非常に滑りやすくなっています。スニーカーやサンダルでは非常に危険です。

山いちば山ブログ参考記事 山歩きや林業に必須 スパイク長靴なら斜面や雪でも大丈夫!

服装や装備ですが、基本は長袖長ズボンに帽子をかぶり、軍手を着用します。水分補給用の飲み物やタオルも用意しておきましょう。藪刈り用の鎌が一挺あると歩きやすくなるので便利です。

山林調査に便利 GPS地図・登山アプリ

自分が歩いた経路をトレースしてくれるGPS機能付きの地図や登山アプリを使うと、現在地の確認をはじめ、お気に入りの場所やポイントの記録、地形図と比較すれば境界確認も可能です。

GPS地図アプリ GPS地図アプリ

境界杭やキャンプ向けの平地を見つけたり、珍しい植物、見晴らしのいい場所などを後からもう一度確認したいときは、写真を撮ったりアプリで目印を付けておきましょう。

GPS機能付きのアプリは「YAMAP」「ヤマレコ」「スーパー地形」「Geographica」などがあります。

GPS地図アプリを起動すると、自分の現在地を確認したり、歩いてきたルートを見直すことができるので、道に迷ったり場所がわからなくても安心して引き返すことができます。

山の地形や樹種の確認

山林の下見と現地調査

山林の状態や地形は、実際に自分の目で確かめて、自らの足で歩いてみないとわかりません。

可能であれば、山林内に入って地形を確認してみましょう。キャンプやレジャー目的であれば、テントが張れるような平地を探したり、倒木の有無、通い道、川や水場のチェックも必要です。

樹種や樹齢を確認すれば、山林の資産価値を知ることができます。自伐林業を始めたい方は、スギやヒノキの分布、立木の太さ、枝打ちの有無、間伐や植林の状態などもチェックしましょう。

あとは山林内の不法投棄や、土砂崩れの有無も確認しておきます。

山林の売買契約と購入費用

実際に山林を見て購入したくなったら、早めに山いちばまでお知らせください。山林購入に必要な手続きや契約までの手順、書類の取得方法、購入費用の総額をお伝えします。

なお、購入の意思表示をしても、申込金を入金するまでは「成約」となりませんのでご注意ください。

契約の際は、運転免許証やパスポート、健康保険証などの本人確認書類と、住民票、印鑑証明書などの公的書類が必要です。必要な書類は事前にお知らせしますので、契約当日までにご用意ください。

山林購入に必要な費用は以下の通りです。

  • 山林物件代金
  • 登記諸費用
  • 印紙代
  • 事務手数料 80,000円(税別)

印紙代は取引金額ごとに定められており、登記諸費用は契約内容や筆数、地域によって異なります。

契約日は手続きの進展度合いに応じて、お客様と相談の上で決定します。売買契約は基本的に山いちば本社で行いますが、遠方にお住まいの場合や、日程の調整がつかない場合は変更いたします。

契約当日は必要書類をチェックし、契約内容を確認しながら売買契約書に記名押印します。続いて司法書士に登記諸費用を支払い、登記の移転を依頼します。

登記完了までの期間は、通常1週間~10日程度となっていますが、時期や状況によっては1ヶ月以上かかる場合もあります。

参考ページ: 山いちばの手数料 購入と売却の支払い総額について

山林購入後の手続きと維持費

登記移転が完了したら、山林物件の登記済権利証が届きます。これで正式に山林の所有者となりました。

山林購入後の手続きですが、まず山林所在地の市町村に「森林の土地の所有者届出」または「国土利用計画法の届出」を提出します。届出書はすべての新規所有者が対象となります。

届出書の様式や提出先は市町村ごとに異なるので、届出先のホームページ等で情報を確認してください。

届出書の作成方法や記入例は、以下のページで詳しく説明しています。ぜひご参照ください。

届出書の作成方法 森林の土地の所有者届出書と国土利用計画法届出書 作成方法と記入例

山林の維持費 税金の支払い

山林を購入してから数カ月後に不動産取得税(保安林は不要)の納付書が届きます。不動産取得税の計算方法は「課税標準 × 税率(3%) = 税額」となっています。

ただし、地目が山林の場合は課税標準が低いので、それほどの金額にはならない場合がほとんどです。

続いて山林購入後の維持費ですが、山林の利用目的がキャンプやレジャーであれば、基本的に固定資産税の支払いだけで済みます。

山林の固定資産税は1ヘクタールにつき数千円程度と非常に安く、小規模の山林であれば年間で数千円ほど、10haを超える広大な山林でも数万円程度で済みます。

また、課税標準額が30万円に満たない山林や、保安林は非課税となります。

山林の固定資産税について 山林の税金 固定資産税

山林購入後の維持費

税金以外の維持費ですが、十分に成長したスギやヒノキはほとんど手入れの必要がないので、管理費用や維持費はかかりません。育林を目的としない山林や雑木林も維持費は不要です。

ただし、育林目的の山林や植林して間もない山林は、間伐、枝打、下草刈りなどのメンテナンスを行う必要があるので、森林組合や林業事業者に手間賃を払うか、補助金を申請して作業を依頼します。

山林購入後の維持費については、以下のページで詳しく説明しています。ぜひご参照ください。

山林の維持費について 山林の維持費

森林組合に加入する場合は、出資金や面積に応じた年間費用が必要ですが、森林育成の施業依頼や補助金に関するアドバイスが受けられます。

補助金の対象となる山林は、森林経営計画等を策定し、計画的に森林整備を実施することが条件となります。また、施業対象となる山林は、最低0.1ヘクタール以上の区域面積が必要です。

補助金については以下をご参照ください。

山林・林業向け補助金について 山林や林業に使える補助金・支援制度

格安の山林はオススメできない

10万円程度で販売されている格安の山林物件は問題が多く、オススメできないことが多いです。

また、50万~100万程度の格安山林物件にも、勝手に伐採できなかったり掘り返しができないなどの問題がよく発生します。住宅地に近い山や保安林に指定されている山なども注意が必要です。

トラブルを避けるため、山を買うときはきちんとした業者から購入することが大事です。

「山林あげます」という名目で取引される無料の山林は、トラブルが起こった場合の責任がほとんど明記されていません。格安の山林や無料の山林には、それなりのリスクがあることを理解してください。

山いちばのYouTubeチャンネルで、格安の山林物件をオススメしない理由について語っています。

山を売る 山林売却の方法

山林のプロが山の売却や買取をサポートします。山の相続や税金もご相談ください。
山を売る方法: 山林売却の方法と手続き

山林購入売却 Q&A

山林売買でよくあるご質問、お問い合わせを「山林購入売却Q&A」にまとめました。
山林売買Q&Aページ: 山林購入売却Q&A 山を買いたい・売りたい方へ

山林物件一覧

山いちばで購入できる山林物件一覧や山林の所在地は、以下からご覧ください。
販売中の山林物件一覧: 山林売買物件

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