
山林は、不動産や建物と同様に価値ある資産のひとつです。適切に整備・管理を行うことで、環境保全や森林資源の持続的な活用にも寄与します。こうした高い公共性が評価され、税制や融資においてもさまざまな支援制度が整備されています。
2021年には、世界的な木材不足による「ウッドショック」で木材価格が一時的に高騰しましたが、その後は需給バランスが回復し、現在では価格はおおむね安定した水準で推移しています。
しかし、コロナ禍を経て、木材の持つ価値やその安定した需要に対する理解が一層深まりました。その結果、長期的な視点から山林の持つ可能性に注目し、所有を検討する人が増加しています。
山林所有には、主に以下のようなメリットがあります。
- 固定資産税・所得税のメリット
- 補助金・融資制度のメリット
- 山林維持管理のメリット
- 山林投資のメリット
- 送電線や電柱から得られる借地料収入のメリット
山林所有のメリット
山林は資産や投資の対象にとどまらず、日本の国土の約3分の2を占める存在として、環境保全や国土の維持に重要な役割を担っています。
このような背景から、前述の通り山林所有者には、税制上の優遇措置や補助金、融資制度など、さまざまな支援制度が設けられています。
また、山林内に送電線や電柱が設置されている場合には、電力会社から敷地料収入を得られるケースもあります。
固定資産税・所得税のメリット
- 山林の評価額が低いため固定資産税は安く済み、保安林や小規模の山林は固定資産税が不要
- 山林の立木ごと譲渡や立木の伐採には、税額面で有利な山林所得が適用される
- 山林相続の際は、不動産や土地などの資産と比べて相続税が優遇される
補助金・融資制度のメリット
- 国や地方公共団体、林野庁から支援や補助が受けられる
- 日本政策金融公庫資金から林業向けの低利融資制度が受けられる
- 林業・木材産業経営向けの無利子貸付制度が使える
維持管理のメリット
- 植林や伐採などの森林整備事業は、補助金の範囲内で賄うことが可能
- 森林組合に管理を委託することができる
- 台風や大雨などの災害時に使える支援制度や補助金がある
送電線や電柱から得られる敷地料収入のメリット
- 山林内に送電線や電柱があると、敷地料収入が得られる
- 送電線の下にも「線下補償」があり、線下補償料が支払われる
- 送電線や電柱の周辺にある立木は、電力会社が伐採するたびに補償金が得られる
線下補償料とは
送電線の下や周辺にある立木は、ある一定の高さまで成長すると安全確保のため伐採することになっており、伐採した立木に対しては電力会社から線下補償料が支払われます。
電力会社では、送電線や電線に接近する恐れのある立木について、定期的な点検や保安伐採を行っています。伐採が必要と判断された場合には、所有者に対して伐採や補償が提案されます。伐採が行われた際には、電力会社の基準に基づいて補償料が支払われることがあり、線下補償料も一定の基準に基づいて算出されます。
また、送電線は気温の上昇により伸びるため、季節による電線の垂れ下がりを考慮する必要があります。また、送電線の電圧によって、対象となる立木も変わります。
山林の補助金
山林の維持管理を目的とした補助金は、森林整備事業を対象として実施されています。
下刈りや間伐、枝打ち、林道整備などが補助の対象となり、多くの森林整備事業は、補助金を活用することで費用負担を抑えて実施できるケースも少なくありません。
一例として、京都府のホームページに具体的な補助金の額が記載されています。
京都府 森林整備(造林補助)事業のご案内
一方で、山林を所有し造林・育林を行う場合には、最低限の維持費として固定資産税などが発生します。しかしながら、山林の固定資産税は評価額が低く、年間数千円〜数万円程度に抑えられるケースが一般的で、条件によっては非課税となることもあります。
また、森林組合への加入は任意ですが、加入する場合には組合費が必要となります。
一例として京都市北部で5haの山林を所有する場合、固定資産税は1万円程度、森林組合の組合費は2,000円程度で、脱退時に返金されます。
森林組合は山の維持管理に関わるプロ集団です。間伐や下刈りといった施業委託をはじめ、補助金や融資制度の窓口業務も行っています。山林を所有する際は、必ず加入されることをお勧めします。
森林組合の組合費は地域によって異なるので、問い合わせてみるとよいでしょう。
一例として、京都府下には20の森林組合があります。
20森林組合の紹介 京都府森林組合連合会
山いちばは、山林を単なる資産としてではなく、価値ある財産として活かすため、売買から管理までを一貫して支援しています。山林の売買や管理を、迷わず進められるよう支えることが、私たちの役割です。
山林投資のメリット
2021年のウッドショックによって一時的に木材価格が高騰しましたが、その後は需給のバランスが回復し、2025年では価格はおおむね落ち着いています。ただし、コロナ以前と比べると、中長期的には木材の価値や需要の高さが意識されており、一定の価格水準で推移しているとも言えます。
こうした背景を受け、住友林業や王子製紙など大手企業による山林投資も活発化しています。これは、CO2排出量を相殺するカーボンクレジットの取得や、国内外の森林経営を対象としたファンド設立など、環境配慮型の経済活動の一環として注目されているためです。
また、山林内に送電線や電柱が敷設されている場合、電力会社からの借地料収入を得られるケースもあり、山林の新たな活用方法として関心が高まっています。
このように、木材価格の落ち着きと持続的な価値、企業の環境投資の動き、さらには副次的な収益機会などが相まって、山林が再評価されつつある状況が続いています。山林投資に関する話題は、近年メディアでも取り上げられる機会が増えています。
とはいえ、山林投資の基本はやはり育林です。中長期的な視野が必要になりますが、スギやヒノキを植林して、成長させることにより得られる利益には、投資と同様の価値があります。
山林は国土の大部分を占める貴重な資源ですが、数十年にわたって手入れを行わずに放置すると、木材の質が低下し、財産的価値も下がってしまいます。一方で、定期的に専門的な手入れを行うことで、質の良い木材が育ち、将来的な生産量の向上も期待できます。
山林の価値を維持・向上させるためには、間伐や枝打ち、下草刈りといった継続的なメンテナンスが欠かせません。
そのため、国や各自治体では林業に税金を投入し、私有林に対しても補助金制度を設けることで、森林の育成と保全を支えています。
山いちばでは、山林購入後の財産的価値を分かりやすく把握していただくため、経年による木材蓄積量のシミュレーションを作成し、お客様に提供しています。
山林は個人の財産であると同時に、適切な管理を通じて地域の環境や森林資源を次世代へつないでいく役割も担っています。
山林に投資し、適切に管理することは、山林の価値を高めるだけでなく、国内の環境保全や森林資源の健全な育成にもつながります。
山林への投資は、短期的な収益にとどまらず、次の世代へ価値をつないでいく、長期的な視点の選択肢でもあります。
山林の活用事例

山林を所有すると、自分の山を好きなように使えるというメリットがあります。
山の楽しみ方は人それぞれで、山林経営や林業だけでなく、キャンプやレジャー目的で山林を購入される方もたくさんいます。以下は山林を購入された方の活用事例です。
- 自分だけのキャンプ場を作って、家族と焚き火やバーベキューを楽しむ
- 昔から憧れていた山小屋やログハウスを建てて、休日に仲間と過ごせる秘密基地を作る
- 果樹や人参、大根、じゃがいもなどを植えて農園を作り、野菜や果物の収穫を楽しむ
- 定年後に自伐型林業を始めて、立木の伐採や植林、間伐などの手入れを行う
- 木質バイオマス発電の燃料となる木材を確保する
- 愛犬のために山林を開拓して、自由に走れるドッグランを作る
- 研究目的の山林を購入して、昆虫や動物の生態調査を行う
- 山林の高低差や斜面を生かして、サバイバルゲームのフィールドを作る
山林の活用事例や楽しみ方の一例として、自ら山林を開拓して自然農園を始めた方を紹介します
https://yamaichiba.com/mountain-case-study-01/
山林所有のデメリット
山林所有にはメリットだけでなく、以下のようなデメリットや問題点もあります。
- 収益性が低く、不動産としての価値がほとんどない
- 林業は短期で利益が得られず、中長期的な視野が必要
- 立木の維持管理やメンテナンスが必要
- 倒木や土砂崩れなどの自然災害リスクがある
- 山林では廃棄物やごみなどの不法投棄が多い
- 建物の建築や、電気水道などのインフラに制約がある
山林の土地は、一般的な不動産と比べて市場価値が低く評価されることが多く、その結果、固定資産税も比較的低額となっています。
昔の山持ちといえば、それなりの資産家だという認識がありましたが、木材価格の下落とともに山林の価値が下がり続けたため、山林相続の際に問題となり「負動産」と呼ばれてしまうこともあります。
造林や育林も中長期的な視野が必要で、利益を出すには数十年単位の時間がかかります。また、スギやヒノキの育林は、枝打ちや間伐などのメンテナンスが必要です。
山林には台風や大雨などによる土砂崩れや倒木などの自然災害リスクがあり、山林内では家電や廃タイヤ、産業廃棄物などの不法投棄も多く発生しています。
建物の建築や電気水道などのインフラにも制約があり、市街化調整区域や保安林に指定されている山林では建築ができません。山小屋やログハウスを建てる場合は注意が必要です。
山林の所有にあたっては、こうした点もあらかじめ把握しておくと安心です。
日本人は世界的な「森林資源」保有者
日本の国土面積は約3,779万ヘクタールで、そのうち約2,510万ヘクタールを森林が占めています。これは、日本の国土のおよそ3分の2、約66%にあたります。
国土面積に占める森林の割合は「森林率」と呼ばれ、日本は先進国の中でも森林率が非常に高い国として知られています。
さらに、日本の森林の約58%は、個人や企業が所有する「私有林」です。
国土の約66%が森林であり、その約6割が私有林であることを踏まえると、日本の森林は、個人や企業の関わりが大きな役割を果たしていることが分かります。
地域別の山林物件
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