日本全体の国土面積は3779万haあり、そのうち山林の面積は2510万ha、日本国土のおよそ3分の2を占めています。
日本は先進国の中で有数の山林大国であり、水源保持や木材資源の育成といった国土保全に重要な役割を果たしています。
しかし、山林は日本の国土で広大な面積を占め、保有者の数が多いにもかかわらず、山林の資産価値や役割、その重要性についてあまり注目されていないのが現状です。
日本の少子高齢化社会
日本における65歳以上の高齢者の割合は、2013年には25.1%(総人口の4人に1人)、2035年には33.4%(3人に1人)、2060年には39.9%(2.5人に1人)となり、人類史上未だかつて経験したことがないスピードで日本の少子高齢化は進行しています。
それに伴い、都市部の住民が相続により山林保有者となるケースが今後増加していくと思われます。その際、山林の維持管理や境界線の確立、立木の処分といった問題が発生しても、都市部ではアクセスできる情報が限られているため、対処が難しくなります。
この問題を放置すれば、山林放棄や所有者不在といった問題が発生するだけでなく、日本国土の3分の2を占め、水源の保持や木材資源の育成、国土の保全に大きな役割を果たしている山林の荒廃につながります。
所有者不明の山林 相続登記を義務化
所有者不明の土地利用を進めるとともに、相続登記を義務化するための所有者不明土地法が2021年4月に成立しました。
この法案により、相続を知った日から3年以内の相続登記が義務化される見込みです。
これまでの相続登記手続きでは、相続人全員の戸籍を集める必要があり、相続登記が進まない原因となっていましたが、不動産登記法を改正して、相続人が複数いても簡易に手続きできる制度を設けます。
また、所有者がわからない土地や山林を、防災倉庫などの災害関連施設や再生可能エネルギーの発電施設として活用したり、相続した土地を手放して国庫に納められる制度も新設されます。実際の運用は2024年度から開始される見込みです。
相続時に登記手続きをしなかったため、所有者不明のまま放置された土地や山林は日本全体のおよそ2割、九州の面積を超える410万haとなっており、早急な対応が望まれていました。
山いちばでは、今後増加する山林放棄や所有者不在といった問題に対処するため、林業や製材業の枠組みを超えた山林売買や仲介・山林管理の仕組みを構築し、日本の山林と国土を守るための活動を続けていきます。
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